首相の会食相手

 12月14日の菅首相の会食。政府の呼びかけに政府トップが自ら反する行動をとり、いろいろ見苦しく言い訳している点はさておいて(さっさと謝ったほうがすっきりするのにね)、ちょっと気になるのは、会食の出席者である。王貞治みのもんた杉良太郎という名前が報道されている。

 誰が誰と一緒に飯を食おうが自由である。法や公序良俗に反するわけでもないし、外野から非難するべき筋合いのものでもない。でもやっぱり何か引っかかる。総理大臣はこの人たちと何のために会食するのだろう。まさか政治的な話をするわけではないだろう。むしろ夜ぐらいは政治を離れて気の置けない人たちと一緒に晩飯を食ってリラックスするためなのか。多分そういうことなのだろう。ではその人選の基準は?菅首相を含めたこの人たちが仲良しグループであるとは考えにくい。なんでこの人たちなのか、やはりよく分からない。政治的な話をするわけでないにしても、人選には政治的配慮が働いているはずだと私などは下種の勘繰りをしてしまう。そして他の二人はともかく、王さんが首相と一緒に飯を食ってる場面を想像するのはあまり楽しいことではありません。

 首相の会食に関連しては、12月16日に日本料理店で横浜銀行の頭取と、フランス料理店でメディア関係者3人と懇談したが、4人以下の会食に徹した、と併せて報道されている。本当はこちらのほうが大問題。メディア関係者との会食は安倍前首相もさかんにやっていた。でも新聞紙上で権力とメディアの癒着ではないかと問題視されることはなかった。だって新聞自身が張本人だもの。菅首相に替わってどうするのかと注目していたが、やはり安倍政権の継承を標榜するだけあってメディアとの親密な関係構築重視にも変更はなさそうである。メディアに携わる人々、首相とお友達になることを変だと思わないのかな。