比叡山と延暦寺散策

 比叡山に初めて登ったのは小学校4年か5年の夏休み。叔父に連れて行ってもらい、京都の出町柳から叡山電車で八瀬まで、そこからケーブルカーとロープウェイを乗り継いで山頂まで。その後何回か登ったことがあるが、下から上まで徒歩でというのは大学の陸上部で合宿した際に1回経験しただけ。歩くというより駆け上がるという感じで、とてもしんどかった記憶がある。現在では散歩しながら麓の坂本から比叡山を眺めるのがほぼ日課になっている。とくにこの頃は夕焼けが美しく、散歩しながらもっとも心安らぐ季節である。先日、久々にケーブルカーで上まで登り、これまで行ったことのない横川まで足を延ばした。
 まずは京阪電車坂本比叡山口駅の斜め向かいにある坂本観光案内所に立ち寄り、比叡山フリーパスを購入。このパスはケーブルカー、ロープウェイ、山内シャトルバスが乗り放題プラス延暦寺拝観料で3500円。☟

 ケーブル坂本駅から延暦寺駅まで2025メートル、11分。「景色も長さも日本一」というのがこのケーブルのうたい文句だが、長さはともかく景色はどうだか。ケーブルカーの中からは視界が木立にさえぎられることが多く、琵琶湖の眺望を楽しむならむしろ上の延暦寺駅に着いてからゆっくりと。☟
比叡山のおひざ元、坂本。左手に見えるのは私が毎日買い物をするスーパー平和堂日吉大社やJR比叡山坂本駅は右手の木立の陰あたり。☟

 延暦寺というのは1つの寺ではなく、東塔〔とうどう〕、西塔〔さいとう〕、横川〔よかわ〕の3つの地域に分散するお堂や塔や墓所や修行所の総称。
 ケーブル延暦寺駅から徒歩数分で東塔地域へ到着。ここは根本中堂、大講堂、阿弥陀堂戒壇院その他があり、バスセンターならびに大きな駐車場もあって比叡山延暦寺を巡るための中心エリア。根本中堂は現在大改修中で覆いで囲われ、外からは見えない。☟
       
 とりあえずバスセンターでシャトルバスに乗り、この日の第一の目的地である横川地域へ直行。13分。東塔―横川間は距離にして5㎞以上あり、歩けば2時間とか。トレイル歩きが目的でない限りバスは必須。横川駐車場には休憩用テントが張ってあり、田楽、草餅、みたらし団子などを売っていた。☟受付を通ってしばらく行くと横川中堂。☟


恵心堂☟
元三大師堂〔がんざんだいしどう〕☟

 ブラブラ歩いてそろそろお腹がへって来た。駐車場まで戻り、みたらし団子を食べながらバスを待つ。シャトルバスでひとつ手前の峰道まで戻り、ここのレストランに入る。人手不足みたいで、空きテーブルがあるのに順番待ちが必要。でも10分ほどで席に着けた。見晴らし抜群。☟


外の展望テラスからの眺め。左下には湖西線と坂本の街。☟

 昼食後、再びシャトルバスでもうひとつ手前の西塔まで戻る。このエリアは以前にも訪れて、静かなたたずまいのいい所だと思った。法華堂〔ほっけどう〕と常行堂〔じょうぎょうどう〕、二つ合わせて(廊下で繋がれている)にない堂と呼ばれている建物。☟


徒歩で東塔方面へ向かうと途中に伝教大師御廟である浄土院へとやって来る。とても厳かで落ち着いたたたずまい。☟

そのまま歩いて東塔地域へと向かう。途中の上り坂はちょっとしんどい。☟登り終わって下を見る。☟

西塔でバスを降りてから1時間弱で東塔地域に到着。戒壇院。☟
大講堂の鐘楼。1回撞くのは50円也。☟

 再びバスセンターからシャトルバスで今度は反対方向の比叡山頂へ。そこからロープウェイで京都側へと下降。☟ロープウェイを降りると八瀬へ下るケーブルカーの駅☟
眼下には京都、岩倉の市街。左にプリンスホテル、中央に同志社高校。☟
最近日本各地に出没する熊が比叡山にも。ケーブルカー駅のすぐそばに警告。☟時間の関係で八瀬まで下りるのは諦め、ロープウェイで山頂へとユーターン。山頂からの大津の眺め。☟もう少し右を見ると浜大津大津京タワーマンションの後ろにボートレース場と大津港、遊覧船(ミシガン?)が見える。☟

 山頂からバスで東塔地域まで戻り、坂本ケーブルで下山。行きもそうだったが立っている人が多くいて、結構な込み具合である。朝9時20分に家を出て、帰り着いたのは午後4時。大半が乗り物利用で徒歩は5㎞くらいだったか。でも疲れは十分。比叡山には紅葉する樹木は少なく全山が赤や黄に染まるということはないが、空気は澄んでいたし、東塔地域以外は人出も少なく、十分堪能できた秋の一日。